古典名作、歴史・時代小説、映画、漫画を中心に紹介。
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聞書抄

谷崎潤一郎の作品です。

サブタイトルに第二盲目物語とあります。

落ち延びた石田三成の娘の前にあらわれた盲目の僧、順慶。
彼はかつて光成の下で働く侍でした。
三成の命で秀吉の甥、秀次の監視役につくため、
目が見えないふりをして聚楽第に潜入しておりました。
逐一動向を光成に伝えなければいけないところ、
次第に秀次や御台様に情が移り役目をおろそかにしてしまいます。
三成への忠義、
御台様への情。
選択することのできない順慶は、
自ら眼を突き光を閉ざします。
本当に盲目になれば御代様の姿を見なくてすむ。
楽になれると思ったのです。

しかし事実は違いました。
肉眼が見えなくなると、
かえって心の眼がひらき、
まわりよく見えるようになってしまいます。
結果より強い苦しみを得ることになりました。

その後秀次は謀反の疑いをかけられ、
一族もろとも滅ぼされます。
順慶は職務の怠慢を責められ放逐。

僧となり秀次らの魂を弔うため、
残りの生涯を回向に費やします。

春琴抄」の佐助のようです。
完成度は「春琴抄」が上ですが、
新しい方向を模索した跡のうかがえる興味深い作品です。



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