『栗林忠道―硫黄島の死闘を指揮した名将
』 柘植久慶
今回はクリント・イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』『父親たちの星条旗』2部作が、
話題になっていることを考えてこの本を読んでみました。
柘植久慶という名にピンとくる方もおられるでしょう。
現代作家の中でも相当特殊な経歴をもっておられる方です。
今回はクリント・イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』『父親たちの星条旗』2部作が、
話題になっていることを考えてこの本を読んでみました。
柘植久慶という名にピンとくる方もおられるでしょう。
現代作家の中でも相当特殊な経歴をもっておられる方です。
柘植さんは慶応大学在学中に、
コンゴ動乱やアルジェリア戦争に参加。
1970年代から米特殊部隊に加わり従軍されています。
これだけ平和な日本の中、
リアルタイムで自ら戦争を体験した作家さんなのです。
以前は従軍中の出来事をまとめた著作が多かったです。
私も10代の頃、
本当にすごい人だと思いその著作を読んだ覚えがあります。
で今回の『栗林忠道―硫黄島の死闘を指揮した名将
』という小説です。
著者自身が戦史研究をされており、
たたき上げの軍人であったことからでしょうか。
作中本音がしばしばあらわれます。
〜幼年学校から純粋培養された秀才が一番悪い!〜
なんていう一文がありました。
大本営で作戦を練る秀才たちについて、
栗林忠道自身が独白するという形になっておりますが、
それだけではないでしょう。
またオリンピックのゴールドメダリストである、
馬術の名手、西竹一中佐との会話では、
〜「激戦になると私自身、真っ先に戦死する可能性もあるからな」
「誰にも皆、その可能性はあります。もちろんこの私にも」
中 略
〜彼らは「危険性でなく、「可能性」という言葉を用いる。
これは最前線で戦うものならではだ。〜
こういう会話を描写できるのも、
実戦経験から出た自然な言葉かもしれません。
物語の結末は周知の通りです。
篭城戦を行い古今東西勝った戦争はありません。
しかし読者は読みすすめていくうちに、
栗林中将に感情移入し、
地下壕が早く完成しないかと期待することになります。
第7章の米軍上陸作戦からは、
米軍側からの視点でも描かれています。
はじめ日本軍の戦力を軽視していた米軍が、
次第に自軍の兵が無残になぎ倒されていく実情をみるにつけ、
動揺するさまは痛快です。
海岸での戦闘描写は非常にリアルで、
映画『プライベートライアン』を彷彿とさせます。
終盤にさしかかり、
遂に擂鉢山にあの星条旗が米軍により掲げられる場面も興味深い。
実際は一度で成功したわけではないみたいです。
掲げると付近の日本兵がゲリラ的攻撃を加え、
日本の旗を掲げたそうです。
これが数度行われたとか。
クリント・イーストウッド監督の
『硫黄島からの手紙』『父親たちの星条旗』2部作を、
これからみられる方、
既にみられた方のどちらも、
柘植久慶『栗林忠道―硫黄島の死闘を指揮した名将
』を読むことを、
お勧めします。
生きている作家さんの本を、
読んだのは久しぶりです。
ましてや一日で読了したのは何年ぶりでしょうか。
あとがきも面白いですよ。
コンゴ動乱やアルジェリア戦争に参加。
1970年代から米特殊部隊に加わり従軍されています。
これだけ平和な日本の中、
リアルタイムで自ら戦争を体験した作家さんなのです。
以前は従軍中の出来事をまとめた著作が多かったです。
私も10代の頃、
本当にすごい人だと思いその著作を読んだ覚えがあります。
で今回の『栗林忠道―硫黄島の死闘を指揮した名将
著者自身が戦史研究をされており、
たたき上げの軍人であったことからでしょうか。
作中本音がしばしばあらわれます。
〜幼年学校から純粋培養された秀才が一番悪い!〜
なんていう一文がありました。
大本営で作戦を練る秀才たちについて、
栗林忠道自身が独白するという形になっておりますが、
それだけではないでしょう。
またオリンピックのゴールドメダリストである、
馬術の名手、西竹一中佐との会話では、
〜「激戦になると私自身、真っ先に戦死する可能性もあるからな」
「誰にも皆、その可能性はあります。もちろんこの私にも」
中 略
〜彼らは「危険性でなく、「可能性」という言葉を用いる。
これは最前線で戦うものならではだ。〜
こういう会話を描写できるのも、
実戦経験から出た自然な言葉かもしれません。
物語の結末は周知の通りです。
篭城戦を行い古今東西勝った戦争はありません。
しかし読者は読みすすめていくうちに、
栗林中将に感情移入し、
地下壕が早く完成しないかと期待することになります。
第7章の米軍上陸作戦からは、
米軍側からの視点でも描かれています。
はじめ日本軍の戦力を軽視していた米軍が、
次第に自軍の兵が無残になぎ倒されていく実情をみるにつけ、
動揺するさまは痛快です。
海岸での戦闘描写は非常にリアルで、
映画『プライベートライアン』を彷彿とさせます。
終盤にさしかかり、
遂に擂鉢山にあの星条旗が米軍により掲げられる場面も興味深い。
実際は一度で成功したわけではないみたいです。
掲げると付近の日本兵がゲリラ的攻撃を加え、
日本の旗を掲げたそうです。
これが数度行われたとか。
クリント・イーストウッド監督の
『硫黄島からの手紙』『父親たちの星条旗』2部作を、
これからみられる方、
既にみられた方のどちらも、
柘植久慶『栗林忠道―硫黄島の死闘を指揮した名将
お勧めします。
生きている作家さんの本を、
読んだのは久しぶりです。
ましてや一日で読了したのは何年ぶりでしょうか。
あとがきも面白いですよ。
この記事へのコメント
「父親たちの星条旗」では、星条旗を揚げるシーンは物語の大事なところですが、日本軍が、やりかえした話は語られていませんでした。それは初めて聞きました。
「硫黄島からの手紙」も、さっそく観て来ました(まだ記事は書いていません)が、いい作品だったと思います。
「硫黄島からの手紙」も、さっそく観て来ました(まだ記事は書いていません)が、いい作品だったと思います。
う〜ん。
やっぱりもうみてこられたんですね。
私は少し場が落ち着いてからみようかと思っておりました。
日本軍がやりかえした話というのは、
私自身史料を紐解いてみたわけではないので事実か否かはわかりません。
小説の場合どこまでがフィクションで、ノンフィクションかという線引きは難しいでしょうね。
今回紹介した小説の巻末に、
参考資料が明記してあったので、
確認してみたいと思います。
ボー・BJ・ジングルズ さん、
いつもコメントあちがとうございます。
やっぱりもうみてこられたんですね。
私は少し場が落ち着いてからみようかと思っておりました。
日本軍がやりかえした話というのは、
私自身史料を紐解いてみたわけではないので事実か否かはわかりません。
小説の場合どこまでがフィクションで、ノンフィクションかという線引きは難しいでしょうね。
今回紹介した小説の巻末に、
参考資料が明記してあったので、
確認してみたいと思います。
ボー・BJ・ジングルズ さん、
いつもコメントあちがとうございます。
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