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人はみな草のごとく、その
光栄はみな草の花の如し。


    ペテロ前書、第一章、二十四
初めて読んだときの記憶は、
はっきりしません。

第一章
P.8
1L

~私はその百日紅の木に憑かれていた。~

このセンテンスから始まります。


子供の頃に読みました。
十代だったと思います。

何故私が手に取ったのか。
理由は不明です。

静かな始まりです。


私は冬が好きです。
これも理由は定かじゃありません。

人の好みはそれぞれです。
理由も原因も。

私は今一人でこの文書を綴っています。

一人でいると時間はあっという間に過ぎ去ります。

時には激しく。
時には緩やかに。

川の流れのように。

川の水はどこからやってくるのでしょう。

私はその答えは知らない。

知らないことが多いです。

聞くは一瞬の恥。
聞かぬは一生の恥。

誰の言葉でしょう。


L9
~それは気味悪く枝々を宙にさらけ出していた。裸の、死んだような、すべすべした枝。~

L12
~夏になると、この枝々に幾つもの小さな葉が茂り、そこに百日の間紅い花が簇り、咲くなどと、一体どうしたら信じられるか。枝は無意味に、曲がりくねった百の手を天に差出している。それは他の一切ものと、何の関係もなく立っていた。~

P.9
L1
~夏、寿康館の裏手の庭に来たことがない。従って夏、この百日紅に葉が生れ、花が咲いているのを見たことはない。私の知っている限り、木はいつも孤独に、裸のまま、くねくねと枝をひろげて佇んでいた。~


こうして読み返すと、美しい言葉の数々だと思います。

手元にある本は黄ばんでいます。

時間が経つと焼けて、なんとも言えぬ色に変わります。
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コメント
この記事へのコメント
返事が遅れてすみません。
少し前に移転したので、旧サイトのチェックが疎かになっていました。今は余所でオタク系の感想文を書いてますが、書籍のほうも近代以降を中心に嬉々として読んでます。それから『草の花』、全体としてはあまり好きではないのですが、冒頭の冬の情景描写はかなり好きです。

小説家を目指しておられるそうで、いずれよい結果が出るといいですね。楽しみにしてます。

では。
2006/12/27(水) 07:12 | URL | いもむし #-[ 編集]
先日はトラックバックをありがとうございます!
ちょっとトラックバックの承認処理を忘れておりまして、遅れてすみません。
福永武彦さんの文章は、私も好きです。
またブログの更新を楽しみにしています。
2006/12/31(日) 12:24 | URL | lanueva #Kni56toY[ 編集]
いもむし さん
lanueva #Kni56toY さん

こちらこそお返事送れて申し訳ないです。

『草の花』はどうやら私にとって重要な作品なようです。

10代の頃にはピンとこなかったんですが。

今なら少しは理解の糸口が掴めるような気がします。

ブログの主題からすると、
福永武彦さんの『古事記』を扱う方が良いのですが、
年末に書き上げたものとリンクする部分があったので取り上げました。

また遊びに来てください。

広く深くやっていきたいと思います。
2007/01/05(金) 08:36 | URL | bob #-[ 編集]
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2007/01/21(日) 00:22:04 | Belle Époque
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